THE有頂天ホテル

さぁ、幕が上がりました。そしたら映画の中でも紙芝居のようなのが画面いっぱいになっていて、その中の幕がどんどん開いていってキャストの名前が出る仕組み。こういうのすきです。さて、幕が開いたところでお話は大晦日のホテルアヴァンティのロビーから始まります。カメラが回転しながら、どんどん重要そうである人物がフレームイン・フレームアウトしていきます。


ホテル・アヴァンティの大晦日の夜。
カウントダウンパーティーに向かっていろんな人の人間模様がいくつもの伏線によってからみ合い年が明けるまでの2時間ちょい!
ラヂオの時間』を彷佛させるリアルタイム進行形の映画です。あと、ホテルが舞台のせいかフォールームスを連想されます。あと、セットの中で人が動くので、『巴里の恋愛協奏曲』の雰囲気がよぎります。


三谷幸喜監督なので、やはり舞台の雰囲気が漂います。
てか、舞台で活躍してる人がたくさん出ていますしね。唐沢さんとか今特にテレビに出ているのでそっちの印象が強いですが、舞台の迫力スゴいですもんね。
その人が脇役でしかもヅラかぶってハンサムオーラ消しまくってやってて楽しそうでいいですよね。ヅラといえば、オダギリジョーもヅラです。ヅラなのにハゲてるんですよ。三谷さんわかってるな、こういう人はその人の個性を潰した方が絶対にいいんですよね。普通の人をやってるんだけど、オダギリスタイルによって映画が楽しめないことが多々あるので…(それはスタイリストとヘアメイクのせいでもあるけど〕


ダブダブとホテル探偵がいいですね。ってか、保安課じゃなくて探偵が常駐してると思ったらホテルへ泊まる時ちょっとしたワクワク感が楽しめそうじゃないですか。


演歌歌手徳川膳武と付き人尾藤がたまりません!2,3度デンキカンで見かけた水野晴郎といつも一緒にいる小太りのおじさんを思い出しておかしくて仕方がありませんでした。梶原さんが、西田さんを思いっきり叩くのが痛快!そんな強くていいの!?ってくらい。そこに、ヒロトが作った歌が流れる異様さ。贅沢ね。


付け耳親子に、ヅラのコールガール、コスプレ麻生久美子に、謹賀信念。


最後に、桜チェリーが歌う『If My Friends Could See Me Now』は素晴らしかった!じ〜んと来ましたよ。YOUが歌を歌ってたことを思い出した。
エンドロールにダブダブの文字を発見。ん?本名?とか思ったら山寺宏一。山チャンだった。スゲぇ〜本物と思ってた!
三谷さんは、よいツボを心得ている。
ただ、全体の印象がこじんまりするのは彼の性格を表してしまうのでしょうか?


そして、映画の中の幕が降りたら、映画館の幕も降りた。
久しぶりに見た気がする。今時のシネコンは幕すらなくて休憩中もなにか写してるもんな。
大事よね、形式も。